LINEを活用して動物病院の再来院率を上げる方法

はじめに

「一度来院してくれた飼い主さんが、なかなか次に来てくれない」「予防医療の時期になっても自分から来院してくれる飼い主さんが少ない」

こうした悩みを持つ動物病院の院長先生は多いです。再来院を増やすためには、来院と来院の間に飼い主さんとの接点を作り続けることが重要です。そのツールとして最も効果的なのが、日本人の9割以上が日常的に使っているLINEです。

2026/6/10のブログではリピート来院の仕組みづくり全般を解説しましたが、本記事ではLINE公式アカウントの活用に絞って、より具体的な運用方法・配信内容・効果を出すためのポイントを詳しく解説します。

目次

  1. 動物病院にLINEが向いている理由
  2. LINE公式アカウントの開設と初期設定
  3. 再来院率を上げる配信コンテンツ7選
  4. 友だち登録数を増やす具体的な方法
  5. 配信で失敗しないための注意点
  6. まとめ

1.動物病院にLINEが向いている理由

数あるデジタルツールの中で、なぜLINEが動物病院の再来院促進に最も向いているのかを整理します。

 

開封率が圧倒的に高い

メールマガジンの平均開封率は10〜20%程度と言われていますが、LINEのメッセージ開封率は60〜70%に達するとも言われています。飼い主さんへの情報が確実に届く可能性が、他のツールと比べて格段に高いのがLINEの最大の強みです。

 

日常的な接点を自然に作れる

LINEは友人・家族とのやり取りに使うツールであり、飼い主さんが毎日開くアプリです。ホームページやメールと異なり、飼い主さんが能動的にアクセスしなくても自然に目に入ります。病院からの情報が日常の中に溶け込む形で届けられるのが、LINEならではの特徴です。

 

双方向のコミュニケーションが取れる

LINEは一方的な情報発信だけでなく、飼い主さんからの問い合わせ・予約受付・相談対応など、双方向のコミュニケーションツールとして機能します。「LINEで気軽に相談できる病院」というポジションを作ることで、来院前の段階から飼い主さんとの関係を構築できます。

 

幅広い年齢層に届く

InstagramやXは若い世代の利用が多いのに対し、LINEは10代から70代以上まで幅広い世代に普及しています。ペットを飼う飼い主さんの年齢層は幅広いため、特定の世代に偏らないLINEは動物病院との相性が非常に良いと言えます。

 

2.LINE公式アカウントの開設と初期設定

LINEを活用するには、個人のLINEアカウントではなく「LINE公式アカウント」を開設する必要があります。LINE公式アカウントは、企業・店舗・医療機関などが顧客に向けて情報発信するための専用アカウントです。

 

開設の手順

LINE公式アカウントの開設は、「LINE for Business」のウェブサイトから無料で行えます。病院名・業種・連絡先などの基本情報を入力するだけで、数分で開設できます。

 

初期設定で必ず行うこと

プロフィール画像は病院のロゴまたは外観写真を設定します。あいさつメッセージは、友だち登録してくれた飼い主さんに最初に届くメッセージです。「〇〇動物病院のLINE公式アカウントへようこそ。予約・お問い合わせはこちらからどうぞ」という形で、このアカウントで何ができるかを明確に伝えましょう。

リッチメニューは、LINEのトーク画面下部に表示されるメニューボタンです。「WEB予約」「診療時間」「アクセス」「お問い合わせ」などのボタンを設置することで、飼い主さんが知りたい情報にすぐアクセスできます。リッチメニューの設定は、LINE公式アカウントの利便性を大幅に高める重要な初期設定です。

 

料金プランの確認

LINE公式アカウントには無料プランと有料プランがあります。無料プランでは月200通までのメッセージ配信が可能です。友だち数が増えて配信数が増えてきたら、有料プランへの移行を検討しましょう。

 

3.再来院率を上げる配信コンテンツ7選

LINE公式アカウントで配信するコンテンツの質と内容が、再来院率を左右します。「来てください」という直接的な来院促進だけでなく、飼い主さんにとって価値のある情報を届けることが、長期的な関係構築につながります。

 

① 予防医療のリマインド

再来院促進において最も直接的な効果があるのが、予防医療のリマインドです。「フィラリア予防の季節が近づいています」「ワクチン接種の時期になりました」というメッセージに、WEB予約へのリンクを添えて送ることで、来院のきっかけを自然に作れます。

カルテシステムと連携できる場合は、個々のペットのワクチン接種日・フィラリア予防開始日に合わせたパーソナライズされたリマインドが可能です。「〇〇ちゃんのワクチン接種から1年が経ちました」というメッセージは、画一的な一斉配信より飼い主さんの心に響きます。

 

② 季節の健康情報

「夏の熱中症対策5つのポイント」「冬に増える猫の泌尿器トラブルに注意」「春のノミ・ダニ予防を始めましょう」など、季節に合ったペットの健康情報を月1〜2回配信しましょう。

こうした情報は来院を直接促すものではありませんが、「この病院からは役立つ情報が届く」という印象を積み重ねることで、飼い主さんとの信頼関係を構築します。信頼関係があるからこそ、来院が必要なタイミングで自然に選んでもらえます。

 

③ 来院後のフォローアップ

来院から2〜3日後に「先日はご来院いただきありがとうございました。〇〇ちゃんの具合はいかがですか?」というフォローアップメッセージを送ることは、飼い主さんの満足度を大幅に高めます。

特に初診・手術後・入院退院後の飼い主さんへのフォローアップは、「この病院はアフターケアまで丁寧」という強い印象を残します。次回来院への動機づけとしても非常に効果的です。

 

④ 新しいサービス・設備の案内

「新しい医療機器を導入しました」「往診サービスを開始しました」「夜間診療の受付を延長しました」など、病院のサービス変更・拡充の情報をLINEで伝えましょう。ホームページを見ていない飼い主さんにも、重要な情報を確実に届けられます。

 

⑤ 臨時休診・診療時間変更のお知らせ

急な休診・診療時間の変更は、飼い主さんにとって最も困る情報です。LINEは開封率が高く、速報性があるため、こうした緊急の情報伝達に最も適したツールです。「本日は臨時休診とさせていただきます」という連絡をLINEで即座に届けることで、来院してから気づくというトラブルを防げます。

 

⑥ キャンペーン・特典情報

「今月は健康診断キャンペーン実施中」「フィラリア予防薬の早期申込割引」など、期間限定のキャンペーン情報をLINEで配信することで、来院のきっかけを作れます。ただし、キャンペーン情報の配信が多すぎると「営業っぽい」と感じてブロックされるリスクがあります。情報価値の高いコンテンツとのバランスを意識しましょう。

 

⑦ 院内・スタッフの日常紹介

「本日のお昼は〇〇スタッフの誕生日でケーキを食べました」「新しいスタッフが加わりました」など、病院の日常を伝えるコンテンツは、堅苦しくない親しみやすい印象を作ります。

医療情報と日常コンテンツをバランスよく配信することで、「情報が役立つ」「病院の雰囲気が好き」という両方の印象を飼い主さんに持ってもらえます。

 

4.友だち登録数を増やす具体的な方法

どれだけ良いコンテンツを配信しても、友だち登録数が少ければ効果は限定的です。友だち登録数を増やすための具体的な取り組みを解説します。

 

院内でのQRコード掲示

受付カウンター・待合室・診察室など、飼い主さんの目に入る場所にQRコードを掲示します。「LINE登録でワクチン・フィラリア予防のリマインドをお届けします」という一言を添えることで、登録するメリットが伝わりやすくなります。

 

会計時の声がけ

スタッフが会計時に「LINE公式アカウントに登録していただくと、次回のワクチン時期をお知らせします。よろしければぜひご登録ください」と一言添えるだけで、登録率は大きく変わります。口頭での案内とQRコードを組み合わせることが最も効果的です。

 

ホームページへのLINE登録ボタン設置

ホームページのトップページ・問い合わせページ・診療案内ページにLINE登録ボタンを設置します。「LINE登録はこちら」という目立つボタンと、登録するメリットを一言添えることで、ホームページを訪れた飼い主さんの登録を促せます。

 

初回登録特典の設定

「LINE登録で初回健康診断〇〇円引き」「登録者限定・フィラリア予防薬の早期割引」など、登録の特典を設けることで登録率が上がります。特典は継続的に設ける必要はなく、開設当初の登録数を増やすためのキャンペーンとして設定するのが現実的です。

 

5.配信で失敗しないための注意点

LINE公式アカウントの運用で陥りやすい失敗と、注意すべきポイントを解説します。

 

配信頻度は月2〜3回が目安

配信頻度が高すぎると「うるさい」と感じてブロックされるリスクがあります。逆に配信頻度が低すぎると、せっかく登録してもらっても存在を忘れられてしまいます。月2〜3回、情報価値の高いコンテンツを配信することが理想のバランスです。

 

一方的な来院促進だけにならない

「来院してください」「予約はこちら」という来院促進メッセージばかり配信すると、飼い主さんはLINEをブロックしてしまいます。役立つ情報・日常コンテンツ・来院促進のバランスを「7:3」程度に保つことが継続的な運用のポイントです。

 

問い合わせへの返信体制を整える

LINE公式アカウントを開設すると、飼い主さんからメッセージが届くようになります。返信が遅すぎたり、返信がなかったりすると「対応が悪い病院」という印象を与えてしまいます。「営業時間内に返信します」など、返信のルールと体制をあらかじめ決めておきましょう。

 

個人情報の取り扱いに注意

LINEを通じて飼い主さんから個人情報を取得する場合は、プライバシーポリシーの明示と適切な管理が必要です。特に予約情報・診療情報などをLINEでやり取りする際は、情報セキュリティへの配慮を忘れないようにしましょう。

 

🤖 AI検索への効果 LINEの活用はAI検索への直接的な効果はありませんが、LINEを通じて飼い主さんとの接点を維持することでリピート来院が増え、Googleの口コミ件数・評価の向上につながります。口コミの充実はローカルSEO・AI検索の両方での評価向上に直結します。またLINEで定期的に情報発信することで、飼い主さんがホームページを再訪問するきっかけが生まれ、ホームページの評価向上にも間接的に貢献します。

 

 

まとめ

LINE公式アカウントは、動物病院の再来院率を高めるための最も即効性の高いツールの一つです。正しく運用することで、来院と来院の間の接点を維持し、飼い主さんとの長期的な信頼関係を構築できます。

  • LINE公式アカウントを開設し、リッチメニュー・あいさつメッセージを整備する
  • 予防医療リマインド・季節の健康情報・来院後フォローアップを中心に月2〜3回配信する
  • 院内QRコード・ホームページ・会計時の声がけで友だち登録数を増やす
  • 配信は「役立つ情報7:来院促進3」のバランスを意識する
  • 問い合わせへの返信体制を整え、双方向コミュニケーションを大切にする

「LINE公式アカウントをどう運用すればいいかわからない」「配信コンテンツの作成を手伝ってほしい」という先生は、ぜひ弊社にご相談ください。

無料相談:https://tahlab.net/contact/