「新規開業なのに、どうやって患者を集めればいいのか分からない」「広告予算が限られている中で、効率的に認知度を上げたい」「開業したばかりで実績がなく、信頼してもらえるか不安」
新規開業する動物病院が抱える共通の悩みです。しかし、戦略的なデジタルマーケティングを開業前から実施することで、開業半年で地域No.1の口コミ数を達成した動物病院があります。
本記事では、実際の成功事例をもとに、新規開業動物病院が実践すべきデジタル戦略を、時系列で詳しく解説します。
目次
- 成功事例の概要|開業半年での驚異的な成果
- 開業3ヶ月前:デジタル基盤の構築
- 開業1ヶ月前:認知度獲得のための先行施策
- 開業当日〜1ヶ月:初期集患の加速
- 開業2〜3ヶ月:口コミ獲得の仕組み化
- 開業4〜6ヶ月:地域1への到達
- 成功要因の分析|何が効果的だったのか
- 開業時に避けるべき失敗パターン
- 投資対効果の検証
- まとめ
1.成功事例の概要|開業半年での驚異的な成果
病院プロフィール
所在地:千葉県〇〇市(人口約12万人、都心から電車で40分)、開業:2024年4月、院長:32歳、大学病院で5年間の勤務経験、規模:獣医師1名、動物看護師2名、受付1名、診療対象:犬、猫、診療方針:予防医療重視、丁寧な説明、地域密着
開業半年(2024年10月)時点での成果
Googleマップの口コミ数:85件(地域の動物病院15軒中、第1位)、平均評価:4.8/5.0、月間新規患者数:45〜55件、既存患者のリピート率:82%、ホームページ月間アクセス数:約4,200PV、Instagram フォロワー数:1,850人(地域の動物病院で最多)、予約枠:平日でも1週間先まで8割以上埋まる状態
デジタルマーケティングへの投資
ホームページ制作:35万円、Google広告(開業最初の2ヶ月のみ):月5万円×2ヶ月=10万円、SNS運用:自社対応(外注なし)、Googleビジネスプロフィール:無料、合計投資額:約45万円
院長のコメント
「開業前からデジタル戦略を立てていたことが、成功の最大の要因だと思います。特に口コミは、患者さん一人ひとりに丁寧に対応し、満足してもらうことで自然に増えました。デジタルツールは使い方次第で、少ない予算でも大きな成果を出せることを実感しています」
2.開業3ヶ月前:デジタル基盤の構築
成功の土台は、開業前から準備されていました。
ホームページの先行公開(開業3ヶ月前)

開業日が決まった段階で、すぐにホームページの制作に着手しました。開業の3ヶ月前には、「2024年4月開業予定」という仮の情報とともに公開しました。
掲載内容は、院長の経歴とメッセージ、診療方針、開業予定日、開業予定地のアクセス、事前登録フォーム(開業したら連絡してほしい人向け)でした。
この先行公開により、開業前から「新しい動物病院ができる」という情報が検索で見つかるようにし、期待値を高めました。
Googleビジネスプロフィールの登録(開業3ヶ月前)
Googleマップに「開業準備中」として登録し、開業予定日、仮の営業時間、ホームページURLを掲載しました。
外観の写真(建設中の様子)、院長の写真、ロゴなどを早期にアップロードし、視覚的な情報も提供しました。
SNSアカウントの開設(開業3ヶ月前)
Instagram、Facebook、X(旧Twitter)のアカウントを開設し、開業準備の様子を定期的に投稿しました。
「内装工事が始まりました」「医療機器が届きました」「スタッフが決まりました」といった投稿で、開業への期待感を高めました。
この段階で既に50〜100人のフォロワーを獲得し、開業時の初動を加速させる準備を整えました。
ブランドの確立
ロゴ、カラー(温かみのあるオレンジと信頼の青)、キャッチコピー(「家族のような温かさで、ペットの健康を守ります」)を開業前に確定し、すべての媒体で統一しました。
3.開業1ヶ月前:認知度獲得のための先行施策
開業直前の1ヶ月は、認知度を一気に高めるための集中期間としました。
ホームページの本格公開(開業1ヶ月前)
診療内容、料金表、施設紹介、スタッフ紹介などを完全版として公開しました。
特に力を入れたのは、院内の写真です。待合室、診察室、手術室、入院室など、すべてのエリアをプロのカメラマンに撮影してもらい、30枚以上の高品質な写真を掲載しました。
オンライン予約システムも導入し、開業前から「4月〇日以降の予約受付中」として予約を受け付け始めました。
Google広告の開始(開業1ヶ月前)
「〇〇市 動物病院」「〇〇駅 動物病院 新しい」といったキーワードでGoogle広告を出稿しました。
広告文は「2024年4月〇日、新規開業!最新設備で丁寧な診療を提供します」という形で、新しさと設備の充実をアピールしました。
月5万円の予算で、開業前の1ヶ月と開業後の1ヶ月、計2ヶ月間のみ出稿し、初期の認知度を高めました。
地域へのポスティング(開業1ヶ月前)
病院から半径2km以内の住宅に、開業案内のチラシを5,000枚ポスティングしました。
チラシには、開業日、診療内容、開業記念キャンペーン(初診料半額)、ホームページQRコード、地図を掲載しました。
地域メディアへのプレスリリース(開業2週間前)
地元の新聞社、タウン誌に「新しい動物病院が開業」というプレスリリースを送りました。
結果、地元タウン誌に開業記事が掲載され、地域での認知度が一気に高まりました。
4.開業当日〜1ヶ月:初期集患の加速
開業初日から、デジタル戦略が威力を発揮しました。
開業初日のSNS投稿

開業当日の朝、「本日、〇〇動物病院が開業しました!皆様のご来院をお待ちしています」という投稿を、Instagram、Facebook、Xに同時投稿しました。
開業初日の様子(スタッフの集合写真、診察室の様子など)をリアルタイムで投稿し、臨場感を演出しました。
開業記念キャンペーンの実施
初診料を通常3,000円のところ、1,500円(半額)にするキャンペーンを、開業最初の1ヶ月間実施しました。
このキャンペーンをホームページ、Google広告、SNS、チラシで告知し、「新しい病院を試してみようかな」という心理的ハードルを下げました。
初診患者への丁寧な対応
開業最初の1ヶ月で来院した初診患者(約60件)には、特に丁寧に対応しました。
診察時間を通常より長めに取り、じっくり説明。診察後には「初めてのご来院、ありがとうございました」という手書きのサンキューカードを渡しました。
この丁寧な対応が、初期の良い口コミを生むことにつながりました。
Googleレビュー依頼の開始
診察後、会計時に「もしよろしければ、Googleで口コミを書いていただけると嬉しいです」とお願いしました。
QRコードを印刷したカードを渡し、その場でスマートフォンからアクセスして投稿してもらえるようにしました。
開業1ヶ月で15件の口コミを獲得し、すべて4〜5つ星の高評価でした。
5.開業2〜3ヶ月:口コミ獲得の仕組み化
口コミを継続的に増やすための仕組みを作りました。
口コミ依頼の標準化
すべてのスタッフが、会計時に自然に口コミ依頼をできるよう、トークスクリプトを作成しました。
「〇〇ちゃん、今日もお利口さんでしたね。もしよろしければ、Googleで口コミを書いていただけると嬉しいです。こちらのQRコードからアクセスできます」という流れです。
押し付けがましくならないよう、「もしよろしければ」という言葉を必ず入れることを徹底しました。
満足度の高い患者を見極める
すべての患者に口コミ依頼をするのではなく、診察中に「満足している」と感じられる患者さん(「ありがとうございました」と笑顔で言ってくれた、質問に納得してくれた、など)に絞って依頼しました。
満足度の高い患者さんに依頼することで、良い口コミの割合が高まりました。
口コミへの返信を徹底
投稿された口コミには、必ず24時間以内に返信しました。
「〇〇様、温かい口コミをありがとうございます。〇〇ちゃんの健康を守るお手伝いができて嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします」といった、個別的で温かい返信を心がけました。
この返信を見た他の人が「返信してくれるなら、自分も書こう」と思うきっかけになりました。
開業2〜3ヶ月での成果
開業3ヶ月時点で、口コミ数は48件に到達しました。地域の既存病院の多くは10〜20件程度だったため、開業3ヶ月の新規病院としては異例の数でした。
6.開業4〜6ヶ月:地域No.1への到達
口コミ数で地域No.1を達成するための最終段階です。
SNSでの日常発信
Instagramで、診察の合間に撮影したペットの写真(飼い主の許可を得て)を毎日投稿しました。
「今日は〇〇ちゃんが来てくれました!」という投稿に、ペットの名前(仮名またはイニシャル)と簡単なエピソードを添えました。
この投稿が飼い主さんの共感を呼び、シェアされることで、新たなフォロワーと患者を獲得しました。
患者紹介キャンペーン
既存患者が友人を紹介してくれた場合、紹介者と被紹介者の両方に500円分のクーポンをプレゼントするキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンをホームページ、院内ポスター、SNSで告知し、口コミによる新規患者獲得を促進しました。
ブログでの情報発信
月2回のペースで、飼い主さんに役立つ情報をブログで発信しました。
「子犬のワクチンスケジュール」「猫の健康診断の重要性」「夏の熱中症対策」といったテーマで、SEO対策も意識した記事を書きました。
これらの記事が「犬 ワクチン 〇〇市」「猫 健康診断 〇〇駅」といった検索で上位表示され、新規患者の流入につながりました。
地域No.1達成(開業6ヶ月目)
開業6ヶ月目の10月、Googleマップの口コミ数が85件に到達し、地域の動物病院15軒の中で第1位になりました。
平均評価も4.8/5.0と高く、「口コミが多く、評価も高い病院」として、新規患者が選びやすい状態を実現しました。
7.成功要因の分析|何が効果的だったのか

なぜこの病院は短期間で成功できたのか、要因を分析します。
要因1:開業前からの準備
開業してから準備を始めるのではなく、3ヶ月前から計画的にデジタル基盤を構築したことが、スタートダッシュにつながりました。
要因2:一貫したブランディング
ロゴ、カラー、メッセージを統一し、すべての接点で同じ印象を与えたことで、記憶に残りやすくなりました。
要因3:丁寧な患者対応
デジタル戦略以前に、診察での丁寧な説明、温かい対応が、患者満足度を高め、良い口コミを生む土台となりました。
要因4:口コミ依頼の仕組み化
口コミを「お願いする」という行為を、スタッフ全員が自然にできる仕組みを作ったことが、継続的な口コミ獲得につながりました。
要因5:SNSでの人間味ある発信
獣医師やスタッフの顔が見える投稿、ペットとの触れ合いの様子など、人間味のある発信が共感を呼び、ファンを増やしました。
要因6:限定的な広告投資
無制限に広告費をかけるのではなく、開業初期の2ヶ月のみに絞って投資し、その後は口コミとSEOで集患する戦略が、費用対効果を最大化しました。
8.開業時に避けるべき失敗パターン
成功事例から学ぶだけでなく、失敗パターンも知っておきましょう。
失敗パターン1:開業してから慌ててホームページを作る
開業後にホームページを作り始めると、公開までに数ヶ月かかり、その間の集患機会を逃します。開業前に準備を完了させることが必須です。
失敗パターン2:広告に頼りすぎる
広告だけに頼ると、広告費が続く限りしか患者が来ない状態になります。口コミとSEOによる自然流入を増やす施策を並行して行うことが重要です。
失敗パターン3:口コミ依頼を怠る
「良いサービスを提供していれば、自然に口コミは増える」と考えるのは甘いです。満足した患者さんでも、依頼しなければ口コミを書かない人が大半です。
積極的に依頼することが、口コミ獲得の鍵です。
失敗パターン4:SNSを放置する
アカウントを作っただけで放置すると、何の効果もありません。週2〜3回の定期的な投稿が、認知度とファン獲得につながります。
失敗パターン5:患者対応が疎かになる
デジタル戦略がどんなに優れていても、実際の診療や対応が悪ければ、悪い口コミが広がります。丁寧な患者対応が、すべての基盤です。
9.投資対効果の検証
デジタルマーケティングへの投資は、どれだけのリターンを生んだのでしょうか。
投資額の内訳
ホームページ制作:35万円、Google広告(2ヶ月):10万円、ポスティング(チラシ印刷+配布):5万円、プロカメラマン撮影:3万円、合計:約53万円
獲得した患者数
開業6ヶ月間の新規患者数:約280件、うちホームページ経由:約170件(60%)、うち口コミ・紹介:約80件(29%)、うち広告・チラシ:約30件(11%)
売上への貢献
新規患者280件×平均初診売上1.5万円=420万円、リピート患者による売上(6ヶ月間):約600万円、合計売上:約1,020万円
投資額53万円に対して、売上1,020万円なので、ROI(投資対効果)は約19倍です。
長期的な価値
獲得した280件の患者のうち、リピート率82%なので、約230件が継続患者になりました。
患者一人あたりの生涯価値を50万円と仮定すると、230件×50万円=1億1,500万円の長期的な価値を生んだことになります。
初期投資53万円で、1億円以上の長期価値を獲得したと言えます。
10.まとめ
新規開業の動物病院が、開業半年で地域No.1の口コミ数を達成することは、決して不可能ではありません。開業前からの戦略的な準備、一貫したブランディング、丁寧な患者対応、口コミ依頼の仕組み化、そしてSNSでの継続的な発信が成功の鍵です。
本記事で紹介した千葉県の事例は、「新規開業だから不利」ではなく、「新規開業だからこそ、戦略次第で一気にトップに立てる」ことを証明しています。
開業を控えている、または開業して間もない動物病院経営者の方は、この事例を参考に、デジタル戦略を今すぐ実践してみてください。
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新規開業は、準備することが膨大で、デジタルマーケティングまで手が回らないことも多いでしょう。しかし、開業初期のデジタル戦略の成否が、その後の経営を大きく左右します。
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【筆者紹介】 株式会社リバティーフェローシップ(動物病院経営ラボ) 代表:小澤直樹 動物病院・歯科医院専門のホームページ制作・経営コンサルティング会社。全国300以上の医療機関の集患支援実績を持ち、新規開業から既存病院のリニューアルまで、実践的なサポートを提供しています。
