トラフィック分析から見える、実際に効果のあるキーワード

多くの動物病院の院長先生は、「Googleアナリティクス」という言葉は聞いたことがあるものの、実際には見方が分からず、活用できていません。

しかし、Googleアナリティクスには、あなたのホームページの「真の顔」が映っているのです。訪問者がどのキーワードで来たのか、そのキーワードから何人が予約に至ったのか、どのページが最も効果的なのか—すべてが可視化されているのです。

本記事では、Googleアナリティクスの基本的な見方から、SEO対策に活かすべき分析ポイント、そして改善に向けたアクション方法まで、詳しく解説します。

目次

  1. Googleアナリティクスが示す本当の効果
  2. 必須の5つの指標
  3. Googleサーチコンソールとの連携
  4. 流入キーワドの分析方法
  5. ページ別パフォーマンス分析
  6. コンバージョン分析で予約につなげる
  7. 改善すべきページの優先順位付け
  8. 実例:分析に基づいた改善による成果
  9. まとめ

Googleアナリティクスが示す本当の効果

「アクセス数」と「集患数」は別物

多くの院長先生が陥る罠が「アクセス数の多さ=成功」という思い込みです。

しかし、月間1,000アクセスあっても、月間新患数が5名なら、投資対効果は極めて低いのです。重要なのは「質の高いアクセス」なのです。

Googleアナリティクスを正しく読むことで、「本当に効果のあるキーワード」「改善が必要なページ」「捨てるべき施策」が明確になります。

分析データの3つのレベル

レベル 内容 見方
Level 1 アクセス数、ユーザー数、セッション数 基本的な流量
Level 2 流入元キーワード、ページ滞在時間、直帰率 実質的な効果
Level 3 コンバージョン分析、ユーザーフロー、目標達成 経営判断

多くの医院は「Level 1」しか見ていません。しかし、SEO対策の真価を理解するには、「Level 2」「Level 3」の分析が必須なのです。

 

必須の5つの指標

  1. 直帰率(Bounce Rate)

定義:訪問者が1ページだけ見てサイトを離脱した割合

業界標準:35~40%

動物病院の目安

  • 良い(優秀):30%以下
  • 中程度:30~45%
  • 要改善:45%以上

高い直帰率が示すこと

「患者様情報ページの直帰率が60%」

→ そのページの情報がユーザーのニーズと合致していない

→ 改善すべき対象ページ

  1. ページ滞在時間(Time on Page)

定義:訪問者が1ページに平均どれくらい時間を費やしたか

動物病院の目安

  • 良い:2分以上
  • 中程度:1~2分
  • 要改善:1分以下

改善アクション

「ブログ記事の平均滞在時間が30秒」

→ 記事の内容が不足している、または読みづらい

→ 1,500文字以上に拡張、見出しや図表を追加

  1. ページビュー/セッション(PV/セッション)

定義:1回の訪問で、平均何ページ見られたか

業界平均:2~3ページ

良好な状態:3ページ以上

「PV/セッションが1.5」

→ ユーザーは1ページ見たら帰ってしまっている

→ 内部リンク戦略を強化し、関連ページへの導線を改善

  1. コンバージョン率(Conversion Rate)

定義:訪問者のうち、目標行動(予約、問い合わせ)を達成した割合

業界平均:2~5%

動物病院の目安

  • 優秀:5%以上
  • 良好:3~5%
  • 要改善:3%以下

「月間1,000アクセス×3%コンバージョン率=30件の問い合わせ」

このうち、60%が予約に至れば、月間18名の新患獲得

  1. 離脱率(Exit Rate)

定義:特定のページから、サイト全体から退出した割合

注意:「お問い合わせ完了ページ」からの離脱率が高いのは正常(目標達成)

要注意な離脱ページ

「診療科目ページからの離脱率が80%」

→ 診療科目の説明が不足している

→ より詳しい説明、症例紹介、CTA追加で改善

Googleサーチコンソールとの連携

Googleアナリティクスだけでなく、Googleサーチコンソールも併用することで、より詳細な分析が可能になります。

Googleサーチコンソール固有の情報

指標 説明 活用方法
表示回数 検索結果に表示された回数 認知度を示す
クリック数 検索結果からのクリック数 実際のアクセス
平均掲載順位 特定キーワードでの平均順位 SEO効果を示す
クリック率(CTR) 表示回数のうち、クリックされた率 タイトル・説明文の質

例:分析アクション

「〇〇市 動物病院」

– 表示回数:1,000回

– クリック数:50件

– CTR:5%(平均3%より高い)→ タイトル・説明文が優秀

 

「〇〇市 皮膚科」

– 表示回数:500回

– クリック数:15件

– CTR:3%(平均以下)→ タイトル・説明文を改善すべき

 

流入キーワドの分析方法

Googleアナリティクス内での流入キーワド確認

Googleアナリティクス → 「集客」→ 「検索キーワード」(または「すべてのトラフィック」)

ここで、「どのキーワードからのアクセスが最も多いか」「そのキーワードからのコンバージョン率はいくつか」が確認できます。

キーワド別効果の判定基準

指標 判定 アクション
高流入+高コンバージョン率 優秀キーワード さらに強化
高流入+低コンバージョン率 改善キーワード ページ内容改善
低流入+高コンバージョン率 ニッチキーワード 記事追加
低流入+低コンバージョン率 撤退キーワード リソース配分変更

実例

「渋谷 動物病院」

月間流入:150件、コンバージョン率:8%

→ 優秀キーワード(さらに投稿を増やす)

 

「犬 病気」

月間流入:500件、コンバージョン率:1%

→ 改善キーワード(ページ内容を改善)

 

「渋谷 犬 眼科」

月間流入:30件、コンバージョン率:15%

→ ニッチキーワード(記事を追加投稿)

 

ページ別パフォーマンス分析

最も効果的なページの特定

「ページ」レポートで、各ページのパフォーマンスを確認します。

分析対象指標

  • ページビュー数(アクセス数)
  • ユーザー数
  • 平均滞在時間
  • 直帰率
  • 目標完了数(コンバージョン)

優秀なページの特徴

「ブログ記事:犬のアレルギー症状」

– ページビュー:月間150件

– 平均滞在時間:2分30秒

– 直帰率:35%

– 目標完了数:15件

 

このページは、多くのユーザーが長く滞在し、

実際に予約に至っている「優秀ページ」です。

→ 関連記事を追加、内部リンク強化すべき

コンバージョン分析で予約につなげる

目標設定の重要性

Googleアナリティクスで、「ページにアクセス」「フォーム送信」「メール送信完了」など、複数の「目標」を設定できます。

推奨される目標設定

  1. 問い合わせフォーム送信(最重要)
  2. 予約ページへのアクセス
  3. 電話クリック(スマートフォン表示)
  4. SNS URL クリック

コンバージョンフロー分析

「コンバージョン」→「ゴール」→「ゴールフロー」で、「どのページを経由して、ユーザーが目標に達したか」が可視化されます。

改善アクション

ゴールフロー分析結果:

トップページ → 診療科目ページ → 予約ページ(完了):60%

トップページ → 診療科目ページ(離脱):35%

 

→ 診療科目ページから予約ページへの導線が弱い

→ CTAボタンを追加、内部リンク強化

改善すべきページの優先順位付け

「インパクト×実現性」マトリックス

改善対象ページを選ぶ際、「改善したときの効果(インパクト)」と「改善の難易度(実現性)」で優先順位をつけます。

優先度 インパクト 実現性
最高 高い 簡単 メタタグ修正、CTA追加
高い 普通 ページリライト、内部リンク追加
低い 簡単 画像最適化
低い 難しい 大規模リデザイン

 

実例:分析に基づいた改善による成果

事例:Googleアナリティクス分析による改善

ある動物病院では、月間1,000アクセスあるのに、月間新患数は5名という状況でした。

分析内容

  1. 直帰率:平均55%(業界標準40%より高い)
  2. ページ滞在時間:平均45秒(要改善ライン以下)
  3. コンバージョン率:0.5%(3%以下、要改善)
  4. 「予約ページ」からの離脱率:85%(異常に高い)

実施した改善

  1. 直帰率が高いブログ記事5本をリライト(1,000文字→2,000文字以上)
  2. 関連ページへの内部リンク30個追加
  3. 予約ページのCTAボタンサイズを大きく、目立つ色に変更
  4. モバイル表示での予約フロー最適化

改善後(3ヶ月)

指標 改善前 改善後 変化
月間アクセス 1,000件 1,100件 +10%
平均滞在時間 45秒 1分45秒 132%向上
コンバージョン率 0.5% 2.8% 5.6倍
月間新患数 5名 30名 6倍

アクセス数はわずか10%の増加でしたが、分析に基づいた改善により、新患数は6倍に増加したのです。

まとめ

Googleアナリティクスは、「データに基づいたSEO対策」への入口です。

単に「アクセス数が多い」「ブログをたくさん投稿している」という定性的な判断ではなく、「このキーワードからは何件の予約が来ているのか」「このページの直帰率は改善の余地があるのか」という定量的な判断が可能になるのです。

分析・改善の要点

  1. 5つの主要指標を把握:直帰率、滞在時間、PV/セッション、コンバージョン率、離脱率
  2. 流入キーワド分析:高効果キーワドの強化、低効果キーワドの改善判定
  3. ページ別分析:優秀ページの拡張、問題ページの修正
  4. コンバージョン追跡:目標設定で、予約に至るユーザーフローを把握
  5. 月1回の定期分析:継続的な改善ループの構築

月1回、30分程度の分析を習慣化することで、確実に集患が加速するのです。


本記事をお読みいただいた院長先生へ:

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