ドクター紹介を獣医師のプロフィール+得意分野で深掘り

患者様がホームページで最初に確認する情報の1つが「どのような獣医師が診療しているのか」という「ドクター情報」です。

しかし、多くの医院のドクター紹介ページは、以下のような「基本情報だけ」になっています。

「〇〇獣医師 卒業大学:△△大学 臨床経験:20年 趣味:ゴルフ」

確かに基本情報は提供されていますが、患者様が本当に知りたい「この先生は、自分たちのペットの症状に対応できるのか」「この先生の診療方針は」という「実質的な情報」が、ほぼ含まれていないのです。

結果として、患者様は「院長のことは知っているが、他の獣医師のことは全くわからない」という状況が生じ、「複数の獣医師がいる医院」としての価値が活かされていないのです。

本記事では、獣医師の「プロフィール」だけでなく「得意分野」「実績」「研修歴」「患者様からの評価」を含めた「深掘りドクター紹介」の方法を詳しく解説します。

目次

  1. 従来型「ドクター紹介」の問題点
  2. 患者様が「獣医師紹介」で知りたいこと
  3. 獣医師の「得意分野」を明確に示す方法
  4. 「専門分野ごとの実績」の数値化と紹介
  5. 「研修歴」と「学会参加」の効果的な記載
  6. 患者様からの「評価・コメント」の活用
  7. 診療スタイルの「個性」を表現
  8. 複数獣医師の「役割分担」の明示
  9. 獣医師の「成長過程」の発信
  10. 来院患者様が「獣医師を選べる」環境の構築
  11. 実例:ドクター紹介充実による信頼度向上
  12. まとめ

従来型「ドクター紹介」の問題点

「基本情報だけ」で終わるドクター紹介

多くのドクター紹介ページは、以下のような情報のみが記載されています。

・氏名、役職 ・卒業大学、卒業年 ・臨床経験年数 ・一般的な経歴(前職など) ・趣味やプライベート情報

確かに「人となり」は伝わりますが、患者様の最重要な関心事である「この先生は、どのような診療をするのか」「自分たちのペットの症状に対応できるのか」という情報が、ほぼ含まれていないのです。

「他の獣医師の存在感の薄さ」

院長以外の獣医師については「1~2行の紹介」で終わり、患者様の目には「補助的な存在」として映ってしまいます。

結果として「複数の獣医師がいる」という医院の強みが活かされず、「すべての患者様が院長の診療を希望する」という不均等な分散が生じるのです。

「患者様の『選択肢』がない」

患者様は「自分たちのペットの症状に、最も対応できる獣医師」を選びたいと思っています。

しかし、ドクター紹介に「得意分野」「実績」が記載されていなければ、患者様は「選択」ができず、結果として「誰でもいいので、空いている獣医師」という「選択肢なしの来院」が生じるのです。

患者様が「獣医師紹介」で知りたいこと

「この先生の得意分野は何か」

患者様が最優先で知りたいのが「この獣医師は、どのような症状・疾患を得意としているのか」ということです。

例えば「皮膚疾患が専門」「手術に特化」「高齢動物の診療に力を入れている」というような「明確な得意分野」の情報があれば、患者様は「この先生なら、うちのペットに対応できそう」と判断できるのです。

「この先生の診療実績は」

「年間◯◯件の手術」「◯◯疾患の治療成功率◯%」といった「定量的な実績」は、獣医師の「実力」を最も直結する情報です。

患者様は「実績のない獣医師」より「実績のある獣医師」に、自分たちのペットを診てもらいたいと思うのです。

「この先生はどのような方針で診療しているのか」

「丁寧な説明を心がけている」「保存療法を優先」「最新の治療法を取り入れている」といった「診療姿勢」も重要な情報です。

患者様は「医学的な正確性」と同時に「自分たちのペットへの向き合い方」を評価しているのです。

「この先生を受診した患者様の評価は」

最後に「実際に診てもらった患者様からの評価」は、最も信頼度の高い情報です。

「親身に対応してくれた」「わかりやすく説明してくれた」「ペットの苦しみを軽減してくれた」—実患者様のコメントは、どの医院側の説明より説得力があるのです。

獣医師の「得意分野」を明確に示す方法

「得意分野」を3~5個に限定

すべての分野が得意という獣医師はいません。

逆に「得意分野が多すぎる」と記載されると、患者様は「本当に専門性があるのか」と疑問を持つのです。

各獣医師について「得意分野は3~5個に限定」することが重要です。

記載例: 「〇〇獣医師の得意分野:

  1. 皮膚疾患(アレルギー、真菌症、寄生虫皮膚炎)
  2. 消化器疾患(嘔吐、下痢、食欲不振)
  3. 感染症(ウイルス感染、細菌感染)」

「得意分野」の根拠を示す

「得意分野」を列挙するだけでなく、その根拠を示すことが重要です。

「なぜ、この分野が得意なのか」「どのような経験や学びから、この分野を得意としているのか」という背景が見えることで、患者様の信頼度が向上します。

記載例: 「皮膚疾患が得意な理由: ・過去15年間、年間300件以上の皮膚疾患診療を実施 ・日本獣医皮膚科学会会員 ・皮膚疾患に関する学会発表経験3回 ・アレルギー皮膚炎の高度な診断・治療技法を習得」

「専門分野ごとの実績」の数値化と紹介

「診療実績」の具体的な数値化

「年間の手術件数」「難治性疾患の治療成功率」「患者様からの紹介率」—このような「定量的なデータ」は、獣医師の実力を最も直結する情報です。

ホームページに、以下のような「実績データ」を掲載することが効果的です。

記載例: 「〇〇獣医師の診療実績(過去3年間): ・手術件数:年平均120件(内、整形外科80件) ・皮膚疾患治療:年平均280件(治療成功率92%) ・難治性疾患診断:年平均50件 ・患者様からの紹介率:全新患の35%」

このような具体的な数値により、患者様は「この獣医師は相当な実績を持っている」という確信を持つことができるのです。

「症例別の成功率」の掲載

特に「複雑な症例」「治療が難しい症例」についての「成功率」を掲載することが効果的です。

「膝関節前十字靱帯断裂の手術成功率:98%(過去30件)」 「顔面腫瘍の外科的切除成功率:95%(過去20件)」

このような「難しい症例での成功率」は、患者様に「この先生なら、難しいケースでも対応できる」という確信を与えるのです。

「研修歴」と「学会参加」の効果的な記載

「専門分野に関連した研修」を具体的に記載

獣医師が「得意分野」を習得した背景として「どのような研修に参加したのか」という情報が重要です。

記載例: 「皮膚疾患診療の専門性習得: ・2015年:日本獣医皮膚科学会『皮膚疾患診断技法研修』(1週間) ・2017年:海外研修『アメリカにおけるアレルギー皮膚炎の治療法』(2週間) ・2019年:日本小動物獣医学会『高度な皮膚疾患症例相談会』(3日間) ・毎年:学会年次学会での最新知識習得」

このような「具体的な研修履歴」により、患者様は「この獣医師は、継続的に専門性を高めている」という好印象を持つのです。

「学会での発表」を記載

学会での発表経験は「その分野での研究・実践的な取り組み」を示す指標です。

「◯◯疾患の新しい治療法について、日本獣医内科学会で口頭発表」 「複雑な整形外科症例の診断技法について、学会でポスター発表」

このような「学会発表経験」により、患者様は「この獣医師は、単に診療しているだけでなく、医学の発展に貢献している」という高い評価をするのです。

患者様からの「評価・コメント」の活用

「実患者様の声」の掲載

ドクター紹介ページに、実患者様からのコメントを掲載することが、最も効果的な「信頼構築ツール」です。

記載例: 「〇〇獣医師について ・飼い主様A:『難しい手術でしたが、先生の詳しい説明と丁寧な対応で、安心して手術を任せることができました。手術後の回復も早く、本当に感謝しています。』 ・飼い主様B:『長年、皮膚疾患で悩んでいましたが、この先生の診察で、原因が特定でき、治療が始まりました。今は、皮膚の状態が大幅に改善されています。』」

「評価のバランス」を取ること

患者様は「完璧な医師」という記載より「実在する人間らしい医師」という印象を持つことで、より信頼を深めるのです。

例えば「すべての患者様から満点の評価」より「ほぼ満点だが、1~2件の『厳しい指摘』も掲載」することで、患者様は「この医院は、誠実で正直だ」という評価をするのです。

診療スタイルの「個性」を表現

「診療における哲学」の表現

各獣医師の「診療に対する哲学」「患者様への向き合い方」を表現することが重要です。

記載例: 「〇〇獣医師の診療方針: 『ペットの個性と飼い主様の価値観を最優先する診療』 この先生は、『最新の治療法が常に最良とは限らない』と考え、飼い主様のご希望、ペットの性格、生活環境を総合的に考慮した診療を行います。 『手術も大事ですが、予防と生活管理も同等に重要』という信念の下、飼い主様への指導を大切にしています。」

このような「診療哲学」の表現により、患者様は「この先生は、自分たちのペットのことを総合的に考えてくれる」という確信を持つのです。

「ペットとの関わり方」の描写

最後に「この先生は、ペットとどのように関わるのか」という「人間性」を表現することが重要です。

「この先生は、初対面のペットでも、すぐに信頼関係を築き、ペットがリラックスした状態で診察を行うことで知られています。」

このような「人間的な面」の表現により、患者様は「この先生なら、ペットが怖がらずに診察を受けられる」という期待を持つのです。

複数獣医師の「役割分担」の明示

「チーム医療」としての組織図

複数の獣医師がいる医院では「誰が、何を担当しているのか」を明確にすることが重要です。

記載例: 「【診療チーム構成】 ・院長:外科手術、整形外科疾患、難治性疾患の診断 ・獣医師B:内科疾患、消化器疾患、感染症 ・獣医師C:皮膚疾患、眼科疾患、予防医療

このように、各獣医師が専門分野で協力し、ハイレベルな医療を実現しています。」

このような「役割分担の明示」により、患者様は「自分たちのペットの症状に、最も対応できる獣医師がいる」という確信を持つことができるのです。

獣医師の「成長過程」の発信

「新しい資格取得」の動きも記載

獣医師が「新しい分野の認定資格」取得に向けて研修中である場合、その情報も発信することが効果的です。

「現在、獣医師Bが『認定腫瘍医資格』取得のための研修を進めております。来年の試験合格を目指し、専門性をさらに高めています。」

このような「スタッフの成長」の発信は、患者様に「この医院は、スタッフの成長を真摯に支援し、常に医療の質を高めようとしている」という好印象を与えるのです。

「キャリアの進展」の可視化

獣医師がキャリアを積む過程で「新しい分野に進出」する場合、その進展過程を記載することも効果的です。

「2015年:一般診療を中心に従事 2017年:手術に特化し始める 2019年:高度な整形外科手術に挑戦 現在:難治性整形外科症例の専門医として活動」

来院患者様が「獣医師を選べる」環境の構築

予約システムで「担当獣医師の指定」を可能に

ドクター紹介で各獣医師の「得意分野」と「実績」が明確に示されれば、患者様は「この症状なら、この先生に診てもらいたい」と考えるようになります。

ホームページの予約システムに「担当獣医師の指定機能」を追加することで、患者様の「選択」が可能になるのです。

「担当獣医師の選択」による満足度向上

患者様が「自分たちのペットの症状に最も適切な獣医師」を選択できることで、診療満足度が飛躍的に向上するのです。

実例:ドクター紹介充実による信頼度向上

事例:ドクター紹介を「得意分野+実績」で充実化して初診患者の専門医指定が月間3件から月間24件へ

ある動物病院では、複数の獣医師がいましたが、ドクター紹介は「氏名と簡単な経歴」だけでした。

結果として、患者様の80%が「院長を指定」し、他の獣医師の診療は少ない状況が続いていました。

改善前の状況

  • 各獣医師のドクター紹介内容:氏名、経歴のみ
  • 「得意分野」の記載:なし
  • 診療実績の掲載:なし
  • 患者様からの評価:なし
  • 院長指定患者の比率:80%
  • 他獣医師指定患者の比率:20%(月間5~6件)

実施した改善

  1. 各獣医師の「得意分野」を3~5個に明確化
  2. 診療実績を具体的な数値で掲載
  3. 過去3年間の研修歴・学会参加を記載
  4. 学会発表経験を掲載
  5. 実患者様からの評価コメントを掲載
  6. 各獣医師の「診療哲学」を表現
  7. 「役割分担」を組織図で明示
  8. 予約システムに「担当獣医師指定機能」を追加

改善結果

ドクター紹介充実から2ヶ月後、患者様の獣医師選択が大幅に多様化しました。

指標 改善前 改善後 変化
院長指定患者の比率 80% 35% -45ポイント
獣医師B指定患者 月間3件 月間15件 +400%
獣医師C指定患者 月間2件 月間9件 +350%
「得意分野で医師を選んだ」評価 0% 68% +68ポイント

特に「皮膚疾患専門」「手術専門」といった「得意分野が明確」な獣医師への指定が大幅に増加しました。

まとめ

ドクター紹介は「基本的なプロフィール」ではなく「得意分野」「実績」「研修歴」「患者様からの評価」を含めた「深掘り紹介」であるべきです。

患者様は「自分たちのペットの症状に、最も対応できる獣医師」を選びたいと思っています。

そのための「情報」が提供されれば、患者様の「選択」が可能になり、結果として「複数獣医師がいる医院」としての価値が最大限に活かされるのです。

ドクター紹介改善の要点

  1. 各獣医師の「得意分野」を3~5個に明確化
  2. 「得意分野」の根拠を示す
  3. 診療実績を具体的な数値で掲載
  4. 症例別の治療成功率を記載
  5. 過去3年間の研修歴を具体的に記載
  6. 学会発表経験を掲載
  7. 実患者様からの評価コメントを掲載
  8. 各獣医師の「診療哲学」を表現
  9. 「役割分担」を組織図で明示
  10. 予約システムに「担当獣医師指定機能」を追加

深掘りドクター紹介により、患者様の信頼度が向上し、医院全体の診療の多様化と質の向上が実現されるのです。


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