症例紹介ページは、動物病院のホームページで最も「信頼感」を醸成するコンテンツです。
「実際に、この医院は、このような症例を診ている」という「実績」が、具体的に示されるからです。
しかし、多くの医院の症例紹介は、「専門性の強調」に偏ってしまい、患者様の「親近感」が失われています。
一方で、「親近感」ばかり追求すると、今度は「医学的な信頼性」が薄れてしまいます。
つまり、症例紹介ページは「専門性」と「親近感」を同時に表現することが、最も大きな信頼度をもたらすのです。
本記事では、ビジュアルとテキストのバランスを工夫して、両者を同時に実現する方法を、詳しく解説します。
目次
- 従来型症例紹介の問題点
- 「専門性」と「親近感」が必要な理由
- ビジュアル要素の活用戦略
- テキスト構成による信頼度構築
- 患者様の「感情的な物語」の組み込み
- 医学的説明と日常用語のバランス
- ビフォーアフター画像の活用
- 飼い主様のコメント・感想の活用
- 動画コンテンツの活用
- 実例:症例紹介ページ改善による効果
- まとめ
1.従来型症例紹介の問題点

「医学用語ばかり」の症例説明
多くの医院の症例紹介は、以下のような医学用語満載の説明になっています。
「症例:8才のラブラドール、膝関節の前十字靱帯断裂。MRI検査による確定診断後、膝関節形成術(TTA手術)を実施。術後の理学療法により、良好な回復を得た。」
医学的には正確ですが、一般の飼い主様からすれば、「何をしたのか、本当に効果的か」が理解できません。
画像が「医学的」だけで「親近感」がない
症例紹介に掲載される画像も、「手術時の医学的な画像」「検査画像」ばかりで、「実際のペットの回復する過程」が見えていません。
飼い主様の視点からすれば、「うちの子も、このように治るのだろうか」という確信が持ちにくいのです。
飼い主様の「ストーリー」がない
最も重要な問題が、「飼い主様がどのような不安を持ち、どのように解決されたのか」というストーリーが欠けていることです。
医学的な説明だけでは、新しいペットオーナーの心は動かないのです。
2.「専門性」と「親近感」が必要な理由
「専門性」がないと信頼されない
飼い主様は、医院の「医学的な専門性」を知りたいのです。
「この医院は、このような複雑な症例に対応できる力量を持っているのか」という確認が必要なのです。
専門性がなければ、「この医院で治してもらえるか、不安だ」という心理が残ります。
「親近感」がないと来院されない
一方で、「医学的な説明だけ」では、飼い主様は「自分たちのペットにも関係があるのか」を判断できません。
「うちの子も、このような治療が必要なのか」「この医院で診てもらっても大丈夫なのか」という親近感がなければ、実際の来院には至らないのです。
両者の同時実現が最大の効果を生む
「この医院は、医学的な力量がある」+「この医院は、飼い主様と一緒に、親身に対応してくれる」—この両者が同時に伝わることで、初めて患者様の信頼が最大化するのです。
3.ビジュアル要素の活用戦略

「人間ドラマ」を含むビジュアル
症例紹介のビジュアルは、単なる「医学的な画像」ではなく、「飼い主様と動物の絆」「治療への向き合い」が見える画像を選びます。
例えば、「手術中の画像」より「治療前の不安そうなペットと飼い主様」「治療後に元気を取り戻したペット」という画像の方が、患者様の心に響くのです。
ビフォーアフター画像の活用
特に、「治療前と治療後の変化」を視覚的に示すビフォーアフター画像は、最も効果的です。
「治療前:歩行困難で、元気がない状態」→「治療後:走り回れるようになった状態」—このような視覚的な変化は、言葉以上に説得力を持つのです。
複数の画像でストーリーを構成
1つの症例に対して、複数の画像を時系列で掲載し、「治療の進行過程」を視覚的に示すことが効果的です。
「治療前」→「治療中」→「治療直後」→「数週間後」→「1ヶ月後」—このような時系列の画像により、飼い主様は「時間とともに、このように回復する」というプロセスを具体的にイメージできるのです。
飼い主様が見たい「ディテール」の画像
飼い主様が知りたいのは、「医学的な詳細」より「実際の治療の様子」です。
医師の手が「どのように患者様と接しているか」「どのようにコミュニケーションを取っているか」—このような「親近感を生む画像」を掲載することが重要です。
4.テキスト構成による信頼度構築
3段階のテキスト構成
症例紹介のテキストは、以下の3段階で構成することが効果的です。
段階1:飼い主様の「悩み」と「不安」(100~150字)
「8才のラブラドール、最近、後ろ足を引きずるようになり、走ることが難しくなりました。ペットの医院では『膝関節の疾患の可能性がある』と言われ、手術が必要かもしれないとのこと。『手術後、本当に回復するのだろうか』『費用はいくらくらいかかるのだろうか』という不安を抱えて、当医院に来院されました。」
このように「飼い主様の感情」を最初に示すことで、読者は「自分たちの状況と重ねる」ことができるのです。
段階2:診断と治療方法(医学的説明を含む、200~250字)
「MRI検査により、膝関節の前十字靱帯断裂と確定診断されました。この症状は、老齢のラブラドールに比較的よく見られる症状です。治療方法としては『TTA手術(脛骨粗面移動術)』を採用しました。この手術は、靭帯の代わりに、骨の位置を調整することで、膝関節の安定性を回復させる手術です。」
このように「医学的な説明」を、段階1の感情的な文脈の後に配置することで、医学的説明が「飼い主様の不安の解決策」として位置づけられるのです。
段階3:治療結果と飼い主様の変化(感情的な終わり方、100~150字)
「手術から3週間後、ペットは徐々に元気を取り戻し、2ヶ月後には、ほぼ通常通り走ることができるようになりました。飼い主様からは『こんなに回復するとは思わなかった。このペットが、これからも長く一緒に生活できる』というお喜びの言葉をいただきました。」
このように「飼い主様の喜び」で症例紹介を終わることで、読者は「この医院なら、うちのペットも同じように回復するだろう」という希望を持つことができるのです。
5.患者様の「感情的な物語」の組み込み

ペットの「個性」を描写
医学的な説明だけでなく、「このペットは、どんな性格だったのか」という個性を描写することで、読者は共感を深めることができます。
「このラブラドールは、家族の一員として15年近く共に過ごした、活発で、社交的なペットでした。症状が出始めた時、飼い主様の不安は『この子が、もう走ることができなくなるのではないか』という深刻なものでした。」
このように「ペットの個性」を描写することで、読者は「自分たちのペット」と重ね合わせることができるのです。
飼い主様の「葛藤」と「決定」のプロセス
飼い主様が治療を決定するまでの「葛藤」を描写することで、読者は「自分たちも同じような決定を迫られるかもしれない」と想像し、その決定がいかに重要であり、正しかったのかを理解できるのです。
「飼い主様は『手術は成功するのか』『術後の生活の質は大丈夫か』『費用がかかるのではないか』という複数の不安を持ちながらも、『この子のために、最善の治療を受けさせたい』という想いで、手術を決決定されました。」
6.医学的説明と日常用語のバランス
医学用語の解説を含める
医学的な説明は必要ですが、必ず日常用語での解説を並行して行うことが重要です。
「前十字靱帯断裂(膝関節を支えている靱帯が、切れてしまう状態)」
「TTA手術(脛骨粗面移動術。膝関節の安定性を回復させる手術)」
このように括弧内で日常用語を並行して示すことで、飼い主様は医学的説明を理解しやすくなります。
「専門的」だが「親しみやすい」トーン
文体は、「医学的」であると同時に「親しみやすい」ものが理想的です。
医学的だが親しみにくい: 「前十字靱帯断裂は、膝関節の安定性が喪失され、関節の不安定性により、二次的な関節炎が誘発される。」
医学的で親しみやすい: 「膝の靱帯が切れると、膝が不安定になり、時間とともに関節が傷んできます。手術によって、この不安定性を解消することができます。」
後者のように、医学的な正確性を保ちながらも、親しみやすいトーンで説明することが重要です。
7.ビフォーアフター画像の活用
「見た目の変化」を明確に示す
治療前後で、ペットの見た目がどのように変わったかを、明確に示すことが効果的です。
「治療前:後ろ足を引きずり、動きが緩い状態」
「治療後2ヶ月:元気に走り回る状態」
このような明確な「見た目の変化」は、言葉以上に説得力を持ちます。
「生活の質の変化」を示す画像
医学的な「症状の改善」と同時に、「生活の質の向上」を示す画像が効果的です。
「治療前:散歩に行っても、少し歩いて疲れてしまう」
「治療後:家族と一緒に、思いっきり遊ぶ」
このような「生活の質の変化」を示すことで、飼い主様は「この治療をすることで、ペットの人生がどのように改善されるのか」を具体的にイメージできるのです。
8.飼い主様のコメント・感想の活用

飼い主様の「実際の声」をそのまま掲載
症例紹介の最後に、飼い主様からのコメント・感想をそのまま掲載することが、最も効果的です。
「『最初は本当に不安でした。でも、医師の丁寧な説明と、スタッフの温かいサポートで、勇気を持って手術を受けることができました。今は、本当に感謝しています。この子が、またこんなに元気に動き回れるなんて…』」
飼い主様の「実際の感情」は、医院側の説明以上に説得力を持ちます。
飼い主様の「名前」と「ペットの種類」の記載
飼い主様が許可できる範囲で、「飼い主様の名前」「ペットの名前と種類」を記載することで、さらに信頼度が向上します。
「◯◯さん(ラブラドール・8才・マックス)」
このような記載により、読者は「これは、実在する飼い主様とペットの、実例だ」という確信を持ちます。
9.動画コンテンツの活用
治療の「プロセス動画」
手術風景、リハビリの様子などを、短い動画で示すことで、飼い主様は「実際の治療がどのように行われているのか」を具体的に理解できます。
ただし、患者様のプライバシーに配慮し、顔を映さない、または承諾を得ることが重要です。
ペットの「回復の様子動画」
治療前、治療直後、1週間後、2週間後、1ヶ月後—このように時系列で、ペットの回復の様子を動画で示すことで、飼い主様は「どのようなペースで回復するのか」を理解できます。
10.実例:症例紹介ページ改善による効果
事例:症例紹介の構成改善で初診患者が月間12名から月間28名へ
ある動物病院の症例紹介ページは、医学用語ばかりで、患者様の「人間ドラマ」が欠けていました。
月間の閲覧数は100件程度でしたが、その後の来院に繋がるケースは少ない状況でした。
改善前の状況
- 症例紹介ページ月間閲覧数:100件
- 医学用語ばかりの説明
- ビフォーアフター画像なし
- 飼い主様のコメント:なし
- 症例紹介経由の月間初診患者:2~3名
実施した改善
- 症例紹介を「飼い主様の悩み」→「診断・治療」→「結果」の3段階に構成
- ビフォーアフター画像を複数掲載
- 治療前後の「生活の質の変化」を示す画像を追加
- 医学用語に日常用語での解説を併記
- 飼い主様のコメント・感想を掲載
- ペットの個性、飼い主様の葛藤を描写
- 短い動画で治療プロセスを可視化
改善結果
症例紹介ページの改善から3ヶ月後、初診患者数が大幅に増加しました。
| 指標 | 改善前 | 改善後 | 変化 |
| 症例紹介ページ月間閲覧数 | 100件 | 240件 | +140% |
| 症例紹介経由の初診患者 | 2~3名 | 8~10名 | +350% |
| ページの「わかりやすさ」満足度 | 42% | 88% | +46ポイント |
| 「この医院で治してもらいたい」という相談 | 月間1件 | 月間15件 | +1,400% |
特に、患者様からは「症例を見て、うちのペットも回復するんじゃないかと希望が持てた」「医院を信頼できた」という評価が多数寄せられました。
11.まとめ
症例紹介ページは、「医学的な専門性」と「人間的な親近感」を同時に表現することで、最大の信頼度をもたらします。
医学用語だけの説明では「専門的だが遠い」という印象になり、親近感だけの説明では「親しみやすいが信頼できない」という印象になってしまいます。
ビジュアル(ビフォーアフター画像、治療プロセス動画)とテキスト(飼い主様の感情、医学的説明、治療結果)のバランスが重要なのです。
症例紹介ページの改善要点
- 飼い主様の「悩み」と「不安」から始める
- 医学的説明を含める(日常用語併記)
- 治療結果と飼い主様の喜びで終わる
- ビフォーアフター画像を複数掲載
- 治療前後の「生活の質の変化」を示す
- 飼い主様のコメント・感想を掲載
- ペットの個性、飼い主様の葛藤を描写
- 治療プロセスの動画化
「専門性」と「親近感」の同時実現により、症例紹介ページは、最も効果的な「新患獲得ツール」へと進化するのです。
本記事をお読みいただいた院長先生へ:
動物病院経営ラボでは、症例紹介ページの企画から、ビジュアル制作(写真・動画)、テキスト執筆、飼い主様のインタビューまで、「専門性」と「親近感」を両立した症例紹介制作をトータルでサポートいたします。
「症例紹介があるのに、新患が増えない」というお悩みは、実は構成とビジュアル戦略の改善で劇的に改善できる可能性が高いです。
無料診断で、あなたのホームページの症例紹介ページ分析と改善提案を実施いたします。株式会社リバティーフェローシップ 動物病院経営ラボまで、お気軽にお問い合わせください。