初診患者様の心理は「不安」で満ちています。
「どのような流れで診察が進むのか」「どのくらい時間がかかるのか」「費用はいくらになるのか」「ペットは苦しむことはないか」—このような「見えない部分への不安」が、来院判断を大きく左右するのです。
しかし、多くの医院のホームページには「診療の流れ」についての情報が、テキストで羅列されているだけです。
「1. 受付 2. 問診 3. 診察 4. 検査 5. 治療計画説明 6. 治療実施 7. 会計」
このような「箇条書き」では、患者様の「視覚的な理解」が進みにくく、「不安」は軽減されないのです。
一方で、「診療の流れ」を「インフォグラフィクス」(図解)で視覚化することで、患者様は「具体的なプロセス」を瞬間的に理解でき、「不安」が大幅に軽減されるのです。
本記事では、診療の流れを効果的にビジュアル化し、初診患者様の不安を軽減する方法を詳しく解説します。
目次
- テキストによる「診療の流れ説明」の限界
- ビジュアル化による「理解」の加速
- インフォグラフィクスの基本原則
- 「予約から帰宅まで」の全体フロー図
- 各診察ステップの詳細図解
- 「初診」と「再診」の流れの区別
- 「検査が必要な場合」の流れ図
- 「治療が必要な場合」の流れ図
- 「費用の見える化」による不安軽減
- 色彩とアイコンによる「わかりやすさ」工夫
- 動物種別の診療フロー図
- 実例:診療フロー図導入による満足度向上
- まとめ
1.テキストによる「診療の流れ説明」の限界

「箇条書き」では患者様の「ストーリー」が見えない
テキストだけの説明では「何が、いつ、どのように行われるのか」という「時間的・空間的な流れ」が、患者様の頭の中で構築されません。
例えば「1. 受付 2. 問診 3. 診察 4. 検査」と書かれていても、患者様は「問診にはどのくらい時間がかかるのか」「検査は同時に複数行われるのか」「検査結果が出るまで待つのか」という疑問が残るのです。
「ステップ数」への不安増加
テキストで「7つのステップがあります」と書かれると、患者様は「ステップが多い = 時間がかかる」という不安を持ちやすいのです。
一方で「ビジュアル化」により「実は、多くのステップが並行して進行される」ことが理解できれば、「不安」は軽減されるのです。
「ペットへの対応」が見えない
最も重要な「ペットがどのように扱われるのか」という情報が、テキストには含まれにくいのです。
ビジュアル化により「受付で飼い主様が手続きしている間、ペットは待合室で待機」「診察中は医師とスタッフが両者で対応」といった「具体的なシーン」が見えることで、「ペットの扱われ方」に対する不安が軽減されるのです。
2ビジュアル化による「理解」の加速
人間の脳は「テキスト」より「ビジュアル」で高速処理
人間の脳は、テキストを処理するのに「左脳の言語処理機能」を使いますが、ビジュアル情報を処理するのに「右脳の視覚処理機能」を使います。
ビジュアル処理は、テキスト処理より「5~10倍高速」という研究結果もあります。
つまり、診療の流れを「ビジュアル化」することで、患者様の「理解スピード」が飛躍的に向上するのです。
「時間的な流れ」の視覚化
ビジュアル化により「診察全体にかかる時間」「各ステップの所要時間」が「視覚的に理解」できます。
例えば「受付5分 → 問診10分 → 診察15分 → 検査(同時進行)10分」という流れが、ビジュアルで示されると、患者様は「全体で40分程度」という「総時間」が瞬間的に理解できるのです。
「意思決定の迅速化」
ビジュアル化により「診療の流れ」が明確に理解できることで、患者様の「来院判断」が迅速化されます。
つまり「この医院なら、自分たちのペットに対応できそう」という確信が、より早く形成されるのです。
3.インフォグラフィクスの基本原則

原則1:「時系列」を明確に
診療の流れは「時間の経過」に沿った「プロセス」です。
インフォグラフィクスの基本は「左から右へ」または「上から下へ」という「明確な時系列」を示すことです。
原則2:「並行処理」を表現
診察中、複数のことが同時に進行する場合がほとんどです。
例えば「受付で飼い主様の記入を受け付けながら、別のスタッフがペットの初期情報を聞く」というような「並行処理」を、ビジュアルで表現することが重要です。
原則3:「色彩の活用」で情報を分類
「飼い主様の行動」「ペットの行動」「医院スタッフの行動」「費用に関わる行動」—これらを「色分け」することで、ユーザーの理解が深まります。
原則4:「アイコン」で直感的理解を支援
テキストだけでなく「アイコン」(象徴的な絵)を使用することで、言語に関係なく「ビジュアル的に理解」できます。
例えば「時計のアイコン」で「時間」を表す、「お金のアイコン」で「費用」を表すなど。
4.「予約から帰宅まで」の全体フロー図
全体フロー図の構成
ホームページのメインに「診療全体の流れ」を示す大型のフロー図を配置することが効果的です。
フロー図の構成例:
【事前準備】
電話予約 → ホームページ予約 → 予約完了メール
↓
【来院当日】
来院 → 受付(飼い主様情報記入) → 待合室で待機 → 医師の呼び出し
↓
【診察】
問診・初期検査 → 本診察 → 治療方針説明 → 費用説明
↓
【会計・帰宅】
会計 → 領収書 → 帰宅
このようなフロー図により、患者様は「予約から帰宅まで、どのようなプロセスが進むのか」を一目で理解できるのです。
「所要時間」の明示
各ステップの「所要時間」を「時計のアイコン」や「数字」で示すことで、患者様は「全体でいくらの時間が必要か」を計画できます。
5.各診察ステップの詳細図解

「受付」ステップの詳細図解
受付ステップを拡大して、詳細に図解することが効果的です。
受付ステップの詳細:
飼い主様来院
↓
【飼い主様の行動】 【ペットの行動】 【スタッフの行動】
問診票記入 初期情報確認中 診察準備
↓ ↓ ↓
受付完了(5分) ペット情報登録
このように「飼い主様」「ペット」「スタッフ」の「3つの視点」から詳細に図解することで、患者様は「自分たちと、ペット、スタッフが、どのように関わるのか」を具体的に理解できるのです。
「診察」ステップの詳細図解
診察ステップも同様に詳細化し、患者様は「診察中に何が行われるのか」を具体的にイメージできます。
診察ステップの詳細:
医師による問診(5分)
↓
【視覚的検査】【触診】【聴診】(並行実施)
↓
初期診断 → 「検査が必要か判定」
↓
必要な場合:検査実施へ
必要でない場合:治療方針説明へ
6.「初診」と「再診」の流れの区別
「初診」のフロー図
初診患者様向けの詳細なフロー図を作成することが重要です。
初診には「予診票記入」「ペット情報の詳細聞き取り」など、再診にはない「ステップ」があります。
これらを明確に区別することで、初診患者様は「再診患者様より時間がかかる」ことを理解でき、準備ができるのです。
「再診」のフロー図
再診患者様向けに「簡略版のフロー図」を別途提供することも効果的です。
「すでに情報がシステムに登録されているため、受付がスムーズ」「診察は前回の続き」といった「再診の効率性」を視覚化することで、患者様は「再度来院するのに、時間がかからない」という安心感を得られるのです。
7.「検査が必要な場合」の流れ図
複数検査が同時進行される場合の表現
「血液検査」「X線検査」「超音波検査」などが「同時に」進行される場合、その「並行性」を視覚化することが重要です。
検査ステップの詳細:
医師が検査が必要と判定
↓
【並行実施】
血液検査 ← 採血開始
X線検査 ← X線撮影開始
超音波検査 ← 超音波スキャン開始
↓
各検査同時進行(合計15分)
↓
検査結果が揃う → 診断 → 治療方針説明
このように「複数検査が並行して進行」されることを視覚化することで、患者様は「思ったより時間がかからない」という安心感を得られるのです。
8.「治療が必要な場合」の流れ図
「治療方針説明」から「治療実施」までのフロー
治療が必要な場合、患者様は「複数の治療選択肢」「それぞれの利点・欠点」「費用」などを理解した上で、意思決定が必要です。
このプロセスを図解することで、患者様は「医院の説明がわかりやすい」という評価をするのです。
治療フロー図の例:
医師から複数の治療オプションを説明
↓
【治療方法A】【治療方法B】【治療方法C】
費用:¥30,000 費用:¥50,000 費用:¥80,000
期間:2週間 期間:1週間 期間:数日
↓
飼い主様が選択
↓
治療計画立案 → 治療スケジュール説明 → 治療実施開始
9.「費用の見える化」による不安軽減
「費用がいつ明確になるのか」を示す
患者様の不安の1つが「いつ費用が確定するのか」という問題です。
フロー図に「診察後、費用が確定する」「複数検査時は、検査実施前に費用を説明」といった「費用に関するマイルストーン」を明示することが重要です。
費用フロー図の例:
問診・初期検査
↓
【費用確定ポイント1】
初診料 + 基本検査費 = 概算費用を説明
↓
追加検査が必要な場合
↓
【費用確定ポイント2】
追加検査費を説明し、飼い主様の同意を取得
↓
検査実施
↓
【最終費用】
検査結果から診断 → 治療費用を確定 → 会計
10.色彩とアイコンによる「わかりやすさ」工夫
色彩の活用による分類
各ステップに「異なる色」を使用することで、ユーザーの理解が深まります。
例えば:
- 青色:飼い主様の行動
- 緑色:ペットの行動
- オレンジ色:医院スタッフの行動
- 赤色:費用に関すること
このように「色分け」することで、患者様は「各アクターの行動」を瞬間的に区別できるのです。
アイコンの活用
テキストだけでなく「わかりやすいアイコン」を使用することで、言語的理解に頼らない「直感的な理解」が可能になります。
使用推奨アイコン:
- 時計アイコン:所要時間
- お金アイコン:費用
- 人間アイコン:飼い主様
- ペットアイコン:ペット
- 医師アイコン:医院スタッフ
- チェックマークアイコン:完了・決定
- 矢印アイコン:進行方向
11.動物種別の診療フロー図
「犬」「猫」「ウサギ」など、動物種別にフロー図を用意
診療の流れは、動物種により若干異なることがあります。
例えば「猫は、ストレスによる異常行動が起こりやすい」ため、「待合室の配慮」や「診察環境の工夫」が必要です。
このような「動物種別の対応」を、フロー図で視覚化することで、患者様は「この医院は、うちの動物種に対応している」という確信を持つことができるのです。
猫向けフロー図の特徴例:
受付
↓
【猫に配慮した待合室】
※ストレス軽減のため、別室で待機
↓
医師の呼び出し
↓
【落ち着いた診察室での対応】
診察
12.実例:診療フロー図導入による満足度向上

事例:診療フロー図のホームページ掲載で初診患者満足度が44%向上
ある動物病院のホームページは「診療の流れ」をテキストで説明していました。
初診患者様からは「診察の流れがわかりにくい」「どのくらい時間がかかるのか、わからなかった」という評価を受けていました。
改善前の状況
- 初診患者の「診療流れ理解度」:45%
- 「診察にかかる時間がわかった」という評価:32%
- 「不安」を感じたまま来院:58%
- 初診患者の「来院前の不安度」:平均6.2/10
実施した改善
- 「予約から帰宅まで」の全体フロー図を作成
- 各ステップの詳細図解を追加
- 「初診」と「再診」のフロー図を区別
- 「検査が必要な場合」の並行処理を可視化
- 「費用の確定ポイント」を明示
- 色彩とアイコンで「わかりやすさ」を工夫
- 動物種別のフロー図を用意
- 各ステップの「所要時間」を明記
改善結果
診療フロー図導入から1ヶ月後、初診患者の満足度が大幅に向上しました。
| 指標 | 改善前 | 改善後 | 変化 |
| 初診患者の「診療流れ理解度」 | 45% | 89% | +44ポイント |
| 「診察時間がわかった」評価 | 32% | 81% | +49ポイント |
| 「不安」を感じたまま来院 | 58% | 18% | -40ポイント |
| 初診患者の「来院前の不安度」 | 6.2/10 | 3.1/10 | -50% |
特に「診療にかかる時間」「費用の確定タイミング」についての不安が大幅に軽減されました。
13.まとめ
診療の流れを「テキスト」ではなく「ビジュアル」で説明することで、初診患者様の「不安」は劇的に軽減されます。
インフォグラフィクスにより「時系列」「並行処理」「費用」「各アクターの行動」が「瞬間的に理解」でき、患者様は「この医院なら、安心して来院できる」という確信を持つことができるのです。
結果として、初診患者の満足度が向上し、医院への信頼度が高まり、リピート来院率が上昇するのです。
診療フロー図の改善要点
- 「予約から帰宅まで」の全体フロー図を作成
- 各ステップの詳細図解を提供
- 「初診」と「再診」を区別
- 「並行処理」を可視化
- 「費用の確定ポイント」を明示
- 色彩とアイコンで情報分類
- 「所要時間」を各ステップに記載
- 動物種別のフロー図を用意
- 医師・スタッフ・ペット・飼い主様の「各視点」を表現
診療フロー図のビジュアル化により、初診患者様の不安は軽減され、医院への信頼度と来院意欲が同時に向上するのです。
本記事をお読みいただいた院長先生へ:
動物病院経営ラボでは、診療フロー図の企画から、インフォグラフィクス制作、複数パターン図の作成、定期更新まで、「初診患者の不安を軽減するビジュアル戦略」をトータルでサポートいたします。
「初診患者が『診療の流れがわからない』と困っている」というお悩みは、実は診療フロー図のビジュアル化で劇的に改善できる可能性が高いです。
無料診断で、あなたのホームページの診療フロー説明分析と改善提案を実施いたします。株式会社リバティーフェローシップ 動物病院経営ラボまで、お気軽にお問い合わせください。
